キャノンEFマウントのカメラに、ニコンGタイプのレンズを装着する   後編


Gタイプレンズは電子接点の関係で制作は断念し、NOVOFLEX(ドイツ製)のマウントアダプターを購入したが納得できないので、自作する事にしました。
購入品は電子接点部品が付いていると思っていたのに何も付いていません、これなら面倒ではあるが作れるはず・・・
レンズ単体で絞りの調整できるニコンレンズが使用できるマウントアダプターを制作し、問題無く使用しているので、Gタイプを使用するには絞りの調整を如何にするかという問題だけです。
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絞りを固定するのは簡単ですが、絞りの特性が活かされないので調整出来なくてはつまらない、
やはり何らかの方法で絞りを調整する為、試しに3mm厚のアクリル板を旋盤にかけてリングを作った、
それにレンズの絞りレバーに当たる様に小さな板を接着すれば良いはずだ。
リングの幅や厚み、小さな板の大きさとか決まるまで数個失敗し、かなり時間を費やしたが何とか出来た。
現在使用している交換マウントの内側にリングを脱着できるように作りました。
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マウントをレンズに取り付けた後、絞りが開放から最少絞りでになる位置にリングを取り付けて、キャノンボディに付けて試写してみた。
取り付けた時は絞りが開放の状態です、レンズを緩める方向に廻すと絞り込めるという仕組みです、また最少絞りで撮影するとノイズが発生するし、レンズを廻しても絞りの数字が分からないので不便です。
とりあえず常用でよく使用するF11の位置から最少絞りで撮影出来る位置にリングを設定してみた、F16でもF8でもリングを脱着して好みの範囲で絞り位置に設定出来ます、構造上の問題で開放から好みの絞りを決めた範囲の設定は出来ない。
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撮影は絞り優先モードでライブビュー撮影が露出が安定して無難です。
ピントはマニュアル調整なので、AFに慣れているスナップ撮影は面倒です、三脚を構えて撮影する時は少し手間はかかるも、なかなか面白い。




3mm厚さのアクリル板からミニ旋盤でリングを作り板を接着しました。





リングをマウントに入れます、脱着も出来ます。




キャノンカメラは純正のデジタルサイズ用のレンズがフルサイズカメラに取り付け出来ない、
レンズメーカーはデジタルサイズ用のレンズがフルサイズカメラに取り付け出来るレンズもあるので有り難い。
ニコンマウントのデジタル専用レンズ、トキナー魚眼ズーム10〜17ミリは、ニコンのフルサイズカメラでも重宝して使用しているので、キャノン5DMarkVフルサイズのカメラに使用したくて改造マウントを介し取り付けてみました。
写真は交換マウントを介して取り付けた時の10ミリの画角です。
フルサイズに取り付けて使用するには14mm〜17mmの画角で使用できます、14ミリ辺りは180度位の画角があるので写欲が湧いてきます。
レンズを正規に取り付けた時は開放絞りの状態です。




絞り込む為、レンズを回転させるとレンズフードの形状に関係してケラレを生じます、
このままズームして切り取ると画角に無駄が出て、このレンズを使用する意味がない。
レンズを回転させないで 指定した絞りになる様にリングの位置を調整します。





Gタイプレンズの写真です、
黒い部分の範囲で絞りが調整できます、自作したリングを挿入して絞りレバーの位置を決めると好みの絞りに設定が出来ます、そのままカメラに取り付けるとレンズを回転させる必要が無いので手間が省けます





改造マウントに取り付けたリングの爪でレンズの絞りレバーの位置を調整します。
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Gタイプレンズでは絞りの位置が分からないのでレンズ単体で絞りの調整のできるレンズで、開放絞り2,8のレンズに取り付け、F11になる様に設定すると、同じ開放絞り2,8のGタイプに使用しても絞り設定値はF11になるという事ですが、全てのレンズに共通するものではありません。
そのマウントを開放絞り1,2のレンズに使用すると取り付けた時の設定は絞り5,6になります。
またマウントを開放4,0のレンズに使用すると取り付けた時の設定は絞り16になります。
またズームレンズで明るさが変わるレンズに取り付けても、それぞれに変わります。
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明るさの違うそれぞれのレンズで調べて見ると、共通した点があります、使用するレンズの開放絞りから4段ほど絞り込まれた位置になるということです。
これは使用したいレンズで面倒なレンズの回転で絞りを変更したくない場合は、リングの位置を変更すればいいだけの事です。
結果としてレンズを取り付けた時に絞りがF11の状態になっているという事です、F11より絞りたい時はレンズを回転させれなければいけないが、ライブビューで拡大してみればピントも確認でき暗さも感じないので、そのまま絞りを調整しないで撮影しています。
より正確なピントにする為、自作の視度調整をしたレンズを市販のルーペに取り付けて使用しています。






本来、デジタルサイズの魚眼系ズームレンズを、フルサイズに使用するのは少し無理があるかも、周辺光量の不足や周辺の解像度の不足も感じられる時もありますが、そのような場合はソフトウエァー等で補っています。
ただ広く写るというだけではつまらない、遠近感を表現したいスナップ撮影にも使用できるので魚眼系レンズは面白いです。
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ニコン用フルサイズレンズをキャノンフルサイズ機に使用する時は、レンズを回転してもしなくても画角やケラレには関係ないので、そのまま使用できます。  
2014,3,5



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